推しが見て悲しく思うような人生は送るな

 

 

 

オタクの世界では「推しへの愛=かけた金額の多さ」だと主張するオタクが少なくない。

もちろんそういう発想のオタクがいるから経済が回っているのだし、私も元々グッズ厨で痛バを作れるだけのバッジは集めたい人間なので、完全に否定はできない。

 

最近はキャラクターの生誕祭を盛大に行うことで推しへの愛を見せつけるやり方も増えてきていて、ラブホテルを友達と借りて部屋中にグッズを飾り生誕祭を行い、その様子をTwitterにあげてたくさんのRTいいねをもらっている人も見かける。(まぁ私もRTふぁぼしているから知っているのだけれど)

でも、それらが原因で身を滅ぼす若者があまりにも増えてきている気がする。


例えば、今日見た事例。
トレーディンググッズをBOX買いして自分の推しを確実に手に入れて、他のキャラクターは、TwitterのフォロワーやTwitterで取引相手を募集して引き取ってもらうという事をやっているオタクは結構多い。でも、もし大量にトレーディンググッズを予約して、発売日頃になって支払えるお金がなかったとしたら…それは恐ろしいことだ。

今回の事例はまさにそれだった。(主人公はAさんにする)


普通、通販ならクレカ決済にしておけば、クレカにお金がない時点で発送されないし、そのままお金を入れなければキャンセルになるのだが、Aさんは代引きにしていたのだ。

つまり、金があろうがなかろうが商品が発売日頃に発送されて、宅配業者さんにその場でお金を払わなければならない。クレカ決済と違って確実に商品は家に届くが、その場でお金が用意出来なかったら宅配業者さんにも迷惑をかけてしまう。

AさんはトレーディングBOXを計20万円近く購入していた。そしてTwitterで引き取り相手も見つけていた。だがAさんは精神的な理由で仕事に行かなくなってしまい、発売日頃に支払えなくなってしまった。でもトレーディングBOXは届いてしまう。

 

さてどうしたのか。Aさんは友人であり、グッズの引き取り相手の1人でもあるBさんに「お金を貸してほしい」と頼んだのだ。

BさんはAさんの悩みも聞いていたし、自分もグッズが欲しかったためお金を貸した。だがAさんは他のグッズのトレーディングBOXも予約していたのだ。そのためBさんは100万近くAさんに貸した。
BさんもBさんで買いたいグッズやゲームの課金用に貯めていたお金だったため、Aさんに早くお金を返してほしかったのだが、Aさんは仕事をやっていないため何ヶ月待っても返ってこない。

Aさんが精神的に病んでいるのも知っているため、無闇に催促も出来なかったBさんだったのだが、Bさんの家計も回らなくなってしまった頃にしびれを切らしてAさんにお金を返してほしいと説得したところ、Aさんからお金は返ってきた。


Bさんは一安心。かと思っていたが、数ヶ月後、Bさんの友人であるCさんから「Aさんにお金を120万円ほど貸したのだが戻ってこなくて予約していたトレーディングBOXが支払えない」と連絡が来る。

話を聞くうちに、AさんはBさんにお金を返すべく、今度はCさんにお金を借りていた事が判明した。
Cさんもまた、トレーディングBOXを大量買いしている人だったのだが、Aさんにお金を貸したせいで予約していたトレーディングBOXを支払えずグッズが届かなかった。CさんはTwitterで引き取り相手の方々から前もってお金を振り込んでもらっていたのだが、その分もAさんに貸してしまったのだ。

Cさんは取引相手の数人から「振り込んだのにいつまで経っても商品が届かない」と詐欺師扱いされ、すっかり病んでしまった。

しかもCさんがAさんのTwitterを見に行ったところ、Aさんはお金に余裕が無いのにも関わらず、ゲームのイベントで課金をしていたというのだ。Bさんは絶句した。

Bさんはこの事をTwitterにまとめ、Cさんの取引相手の方への対処やAさんと取引していた人への注意喚起も行った。Aさんに対してもCさんにお金を返すよう、専門家を交えて話したそうだ。

 

(私はあくまでBさんのまとめツイートを見ただけだから深くは知らないし、もしかしたら細かいところは間違ってるかもしれない)


こういった事例があってもなお、「推しへの愛=かけた金額の多さ」と言えるのだろうか?

私は違うと思う。推しが原因で自らを滅ぼすなぞ、一番やってはいけないことじゃないか?

 

本当に推しを愛しているのなら、「推しに出会えて最高にハッピー!」な人生を送るべきだろう。

「推しは推せる時に推せ。ただ推しが見て悲しく思うような人生は送るな。」とだけ言いたい。