ポケモンの映画が歴代で一番良かった
まぁ、あくまで個人の意見なのだがね!
というわけで、ポケモンの映画を見てきました。
捨て子で「ザルード」というポケモンに育てられた少年、「ココ」がサトシに会って人間を初めて知り、「ずっと自分のことをポケモンだと思ってたけど、本当は人間なんだ。なんで父ちゃんは教えてくれなかったんだ…!」と葛藤する物語。
いや!!この説明では薄っぺらすぎる!!!!三番煎じの緑茶ぐらい薄い!!!!でもあまり話すとネタバレになるから言わない!!!!とにかく観て!!!!!大人ほど観て!!!!
とは言いつつ、完全なネタバレはないにしろ、映画の内容は言ってるから「ネタバレちょびっとでも嫌です!」ってレディースエンドジェントルメンは読まないでね。
観てる途中で何回か「現代版の『もののけ姫』だな」と思ったのだが、もののけ姫が「自然との共存」だとすれば、ココは「違う種族との共存」だと思う。似てはいるのだが根底は違う気がした。
ザルードは他のポケモン達の住処を一族で荒らして食料を奪い取る、いわば「盗賊一族」のようなものだった。しかもべらぼうに強く、どんな傷も癒す泉の湧く大木を縄張りとしていた。それがザルード達の「掟」だったから。
故に、ザルードは他のポケモンにそれはそれは嫌われていたし畏れられていた。
だが、ココの父親になるザルード(以下、「とうちゃんザルード」)は、捨て子を発見した時に親の記憶がない自分と重なってしまい、一族を抜け出して育てる決心をした。まずここまでの設定が凄い。
とうちゃんザルードは他のザルードに「お前は信用していたのに」と言われるほど強い立場だったはずなのに、それよりも1人の命を選んだ。育てかたも分からないのに。そこの覚悟があまりにも男らしい。私はこの時点で「なんか気持ち悪い猿だなぁ」と思っていたザルードが好きになっていた。
ココが大きくなると、人間の言葉は話せずポケモンの言葉を話すため、ポケモンと会話できる人間として育っていた。しかもココはとても心優しくて、傷ついてるポケモンがいると危険を顧みず、ザルードの縄張りである泉に行ってしまうぐらいだった。
ココととうちゃんザルードの絆は凄まじいもので、「だってとうちゃんの息子だもん!」「さすが俺の息子だな!」の台詞がとにかくエモい。また上白石萌歌ちゃんと中村勘九郎さんの演技がハチャメチャに上手くて涙腺を揺さぶられてしまった。
そんな2人でも「血が繋がっていない」「ポケモンと人間だから種族さえ違う」「こんなの親子じゃないのではないか」と悩む。ここの描写も大変素晴らしかった。
サトシやロケット団も含めて、森に起きてしまった試練に立ち向かうのだが、その時にココを庇ってとうちゃんザルードが重症を負う。そのシーンでとうちゃんザルードが「そうか、俺はとっくに父親だったんだな」みたいな台詞を言うのだが、もう私はここで涙がボトボト出た。
たとえ血が繋がっていなくたって、姿かたちが違ったって、スクリーンに映るとうちゃんザルードとココは「親子」にしか見えなかった。
互いに「親子」だと思っていれば、互いに想いあっていれば、そんなもの関係ないのだ。家族なのだ。
サトシもポケモンの言葉が分からないのに、とうちゃんザルードを初めて見た時に「あれがココのとうちゃんなんだ、多分」と分かっていた。それで良いのだ。血だの種族だの、そんなの野暮すぎるでは無いか。
そしてまた、挿入歌がメチャクチャ泣けるのだ。岡崎体育氏が作り、トータス松本氏が歌っていらっしゃるのだが、もうこの曲に至っては予告映像から涙が出そうになったため、案の定ボロッボロに泣いた。
あまりにもとうちゃんザルードにリンクしてて「岡崎体育、天才じゃん…」って思ってしまったし、旦那は帰宅直後に曲を買ってくれた。それからしばらく流していたが、何回聞いても泣きそうになった。
「"親子"ってなんだ?"育てる"ってなんだ? わからないことだらけだなぁ ただひとつ言えるのは キミのために生きるようになった」
「ヒーローじゃないし スーパースターじゃないけど 俺はキミの父ちゃんだ」
という歌詞があるのだが、私はいつもここで涙腺が緩む。
ちなみにこの歌詞を見てグッときた人はポケモンを観てくれ。絶対に感動するから。
そもそもこれをトータス松本氏に歌わせるのがまたニクい。とてつもない名曲をありがとう。
さて、ここまで「親子愛」について言ってきたが、この映画はそれだけでは終わらない。
1つは「違うポケモンとの共存」だ。
さっきも言ったが、ザルードは他のポケモンに嫌われている。森がピンチに陥った時に、他のポケモンとどう協力するのか、どうやって協力してもらうのか。ここがまた見所なのである。ここもかなり感動した。
また、「人間とポケモンの共存」もある。
今回の敵役は正直これまでの敵役の中でもかなりヤバいやつ(ツイニヤッテシマッタカ感)だから、人間とポケモンがココとサトシ・とうちゃんザルードを通してどのように繋がっていき敵に立ち向かっていくのかも大変見ものだった。素晴らしかった。(さっきから素晴らしいしか言ってなくてゴメン)
「ポケモン」であり「人間」でもあるココと、「ポケモン」なのに「人間」を育てたとうちゃんザルードだからこそ出来ること……そのフィナーレがあまりにも美しかった。
私も「あぁ、両親に感謝しないとな」と思ってしまった。
あれはきっと、自分が親になってから見るとまた違う理由で泣けるんだと思う。いつ来るか分からないが、いつかそんな時が来るのならまた観たい。
一緒の劇場にいた子供たち、最後の方はだいぶ飽きていたな。「帰りたい」って言ってたな。まぁ今回の映画も少し難しかったもんな。
あの子供たちが大きくなった時に、また観てほしいな。それで「あの時はわからなかったけど、こんなに良い映画だったのか」って泣いて欲しいな。
そんな、後世に残していきたいなぁと久々に思えた映画でした。ここ最近のポケモンは出来がいいですね……。我々みたいに昔からポケモンやってた世代が親になる頃だから、大人が見てもグッとくるようにスタッフの方々が頑張って作ってくださっているんですね、きっと…。
あとこれは余談ですが、あんなにも憎らしかったホシガリスの好感度が一気に上がりました。育てようかな…かわらずのいし持たせて…