無い物ねだり

 

 

 

(汚い話だから食事中、苦手な人は見ないでね)

 

私は胃腸が老人並みに弱い。

 

揚げ物を食べすぎるとお腹を壊し、脂の乗った良い肉も食べすぎるとお腹を壊す。ラーメンもたまにお腹を壊すし、生クリームも食べすぎるとお腹を壊すからスイパラの後は死ぬ。消化に悪いものじゃなくても食べすぎるとお腹を壊す。夏はアイスを食べてお腹を壊すし、冬は何もしなくても冷えてお腹を壊す。

 

とにかく、何かにつけてお腹を壊しやすいのだ。少しでも「ヤバい、上限を超えたかもしれない」と思うと、案の定「胃もたれ→胃痛→下痢」までまっしぐらだ。

胃もたれだけなら太田胃散で何とかなるのだが、正露丸に関しては飲んだ頃にはもう遅い。あくまでアフターケアみたいな物になっている。

 

20代前半から常に太田胃散を持ち歩いていたため、周りから「どういうことwww」と突っ込まれた。

 

事情を説明すると「大変だね!」って言う人もいるし、「羨ましい」と言う人もいた。

 

 

なにが羨ましいのか聞くと、

 

「だって食べすぎても全部出てくれるんでしょ?太らなくていいじゃん!だから〇〇は太らないんだね!」

 

との事だった。ちなみにこれは複数人から言われた。

 

 

確かに私は痩せぎみで、太ろうと思っても腹を下す心配が勝つため量が食べれないから、現段階では正直「太ることが難しい」人間になるのだと思う。

 

でも、私はこの体質が恨めしい。

 

私はラーメンや肉、スイーツが大好きだ。高校までは馬鹿みたいに食べてたし、その頃はとにかく食べることが楽しみでしょうがなかった。

 

本当は何も考えずに台湾ラーメン食べまくりたいし、肉だって揚げ物だって食べまくりたいし、スイパラで色んなスイーツを食べたい。でも、それをしたら数時間後にはとてつもない痛みが待っているのだ。

下痢をした事がある人なら分かるだろうが、あの痛さはそう何回も味わいたいものじゃない。なのに私は月に1回はほぼ必ずあの痛みに襲われてしまうのだ。

しかも、その前兆としてくるガス溜りがこれまた辛い。げっぷもオナラも止まらなくなる時がある。出ないと出ないでとにかく胃と腸の内からの圧迫がすごくて最悪痛くなる。

 

今日も久々に襲われた。

これは最近分かったことなのだが、どうも私は鍋を食べると次の日にお腹を壊すようなのだ。意味がわからん。

 

旦那曰く「鍋は量が減る分、たくさん野菜とかが食べれるからかも。スープもけっこう油分多いだろうし。」との事だった。

 

それを言われてから控えめに食べていても、壊すものは壊す。もう諦めるしかないのかもしれない。そういう体質なのだと。

 

 

私の姉も、私以上に胃腸が弱い。

あの人に関しては生魚・ラーメン・揚げ物・肉系がほぼ胃もたれ確定だ。しかも、毎食前に漢方を飲まないと消化不良になる。

あの人も高校までは色々なものを食べれたのだが、結核で入院してから途端に食べれなくなってしまった。

 

こういうのは精神的なものが原因で食べれなくなる、というのもあるのだが、姉の場合は肉体的にも精神的にも受け付けなくなってしまったんだと思う。(私の姉は私以上に細い。ガリガリなのに胸だけある。世は非情なり。)

 

 

私が食べられなくなったのは、高校で部活を引退してから徐々にである。動かなくなった分、食欲もどんどんなくなっていった。

 

そして、決定打になったのは大学2年の頃である。

 

私は大学時代、寮で一人暮らしをしていた。

その食生活は酷いもので、ほぼ白米・ウインナー・納豆・玉ねぎ・人参・キャベツで生きていた。

(推しのグッズにお金をかけるために食費を削るというサバイバル生活を送っていた)

 

そして、大学2年。「酵素」と「断食」が流行っていたため、それに乗ってしまったのだ。

私はその頃、とにかくニキビが酷くて、スキンケアを頑張っても酷くなる一方だった。(まぁ、圧倒的に食生活が悪いと今ならわかる)

そんな中、ネットで見つけたのが「1ヶ月に1回、3日間、食事の代わりに酵素を飲む断食」というものだった。そしてそこに「朝食はキャベツだけを食べる」と書いてあったため、それもやった。

 

3ヶ月くらいやっただろうか。結果だけ言うと、肌荒れはそこまで良くならなかった。

そして体重は7kg落ちた。友達に「なんか日に日にゲッソリしてきてる気がするけど大丈夫!?」と心配された。

そもそもBMIが「痩せぎみ」なのに断食なんてするもんじゃない。そう分かっていたのにやってしまったのだ。それが間違いだった。

 

自分でも胸が減っていったり肋骨がくっきり見えてきていることに気づいていたため、さすがにまずいと思い、断食は辞めて普通の(?)サバイバル生活に戻したのだ。

 

これが直接的な原因か分からないが、実家に戻って普通の食事が取れるようになってからも、高校のようには食べられなくなってしまった。なんとなく、胃が拒否するようになってしまったのだ。最初は油物からだっただろうか。

 

拒食症ではないのだが、すぐにお腹を壊して下痢で体外に出てしまうため、どれだけ良いものを食べても吸収されないままさようなら、なんて事が度々あって「メッチャもったいない……」と思ってしまう。特に高級なお肉とか食べた時は。

 

 

腹巻をしてもお腹は冷えるし、食べすぎなくてお腹が空くとそれはそれで胃が気持ち悪くなるし。なんともめんどくさい胃腸である。

 

「栄養士に相談しては?」と思うかもしれないが、残念ながら私はその栄養士だし、旦那も栄養士だ。

下痢の時や私みたいにガスが生成されやすい人にはむしろ食物繊維を取りすぎてはいけない…という知識などはあるし、香辛料が良くないことも知っている。

 

でも、知識はあっても実際にやるのは難しい。それに、この胃腸は予想できないところで爆発したりするのだ。……なんてのは、ただの言い訳かもしれない。

 

この胃腸、欲しいものなら交換してあげたい。でも、交換したらしたで、きっと苦労するのだろうな。

「無い物ねだり」とはこういう事を言うのかもしれない。